この記事ではこんなお悩みを解決します
・不動産会社と媒介契約を結んだが、販売活動のやり方に疑問がある。
・媒介契約を結んでからしばらく経つが、一向に売れる気配が無い。。
売却初心者さん
鹿児島 二郎
不動産の売却活動を始めたのに、全く音沙汰が無いと不安な気持ちになりますよね?
なんだかモヤモヤするけど、担当の営業マンは、
「頑張ってます!」
「もう少し様子を見てみましょう!」
なんて言っているので、面と向かって文句も言いにくい。。
物件に問い合わせが無い原因は、以下の4つが考えられます。
【 物件に問い合わせが無い原因 】
- エリアが極端に供給過剰で購入の需要が無い
- 不動産会社が「囲い込み」をおこなっている
- 物件の価格が高い
- 不動産会社の販売活動に問題がある
上記の内、「1.エリアが極端に供給過剰で購入の需要が無い」と「2.不動産会社が「囲い込み」をおこなっている」のケースはまれでしょう。
多くの場合は、残る2つが原因で反響が来ない状況に陥っています。
上記4つの内、「3.物件の価格が高い」が原因であれば、適正相場への値下げをおこなうことになります。
困るのは、「4.不動産会社の販売活動に問題がある」場合です。
もしこれが原因である場合は、値下げをすると、本来であればもっと高く売れたであろう可能性を逃してしまうことにつながります。
不動産会社の怠慢によって、最終的な手残りが減ってしまうのは避けたいですよね?
今回は大手仲介会社に勤める私が、不動産会社の販売活動が正しくおこなわれているかをチェックするポイントを解説します。
売却が苦戦している売主様にとって有益な情報になりますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
媒介契約を解除した方が良い?売却センスの無い不動産会社の特徴まとめ!
(1)大手不動産ポータルサイトに物件が掲載されていない
1つ目は、「大手不動産ポータルサイトに物件が掲載されていない」ことです。
大手不動産ポータルサイトとは、「SUUMO」、「at-home」、「LIFULL HOME’S」の3社を指します。
国内の不動産ポータルサイトと言えばこの3社が圧倒的な知名度を誇っており、物件の情報を広く広告するには、少なくとも3社の内2つ以上には掲載するべきです。
しかし、これらのポータルサイトに物件を掲載するにはそれなりの広告費がかかるため、不動産会社によっては、広告費のかからない自社HPだけに掲載してほったらかしの場合もあります。
媒介契約を結んだら、「SUUMO」、「at-home」、「LIFULL HOME’S」に自分の物件が掲載されているかを必ず確認してください。
(2)画像が20枚以上掲載されていない
2つ目は、「画像が20枚以上掲載されていない」ことです。
売却初心者さん
鹿児島 二郎
実は、不動産ポータルサイトで上位に表示されるかどうかは、「掲載されている画像の枚数」が影響しています。
画像の枚数が少ないというだけで、サイトを訪問した購入検討者の目に触れる機会が少なくなってしまうのです。
物件が土地である場合は、たしかに室内の写真が無い分、撮影できる枚数は限られますが、それでも「周辺施設」の写真を掲載することは可能です。
物件の魅力は土地や建物自体だけでなく、「その街の暮らしやすさ」も大いに関係してきます。
従って、例えば「スーパー」や「病院」、「小学校」などの周辺施設が近くにあるのであれば、積極的に広告に打ち出すべきなのです。
しかし、「周辺施設」の写真を撮影するのは営業マンにとって「面倒な作業」であるため、この点をしっかりと意識しない不動産会社が多いです。
見落としがちですが、しっかりとチェックするようにしましょう。
(3)掲載されている画像の構図が悪かったり、暗い写真になっている
3つ目は、「掲載されている画像の構図が悪かったり、暗い写真になっている」ことです。
ポータルサイトから反響を獲得するためには、物件の写真を綺麗に撮ることが大変重要になります。
しかし、明らかに傾いた写真や、雨の日に撮影した写真を平気で掲載してしまう営業マンは珍しくありません。
それ以外にも細かいところですと、
- 営業マンのカバンや靴が映り込んでいる
- 撮影時に浴槽のフタを外していない(狭く見える)
- 洗面台の鏡に営業マンが反射して映っている
- 雨戸やシャッターを開けていない
- 洗剤等の生活用品を片付けていない
上記のようなケースも散見されます。
また、私の経験上、写真の撮り方が雑な営業マンはお客様への対応も雑であることが多いです。
こういった不動産会社・営業マンに売却を任せていると、良い物件も正しい価格で売れなくなってしまいます。
(4)物件の魅力を広告文に記載していない
4つ目は、「物件の魅力を広告文に記載していない」ことです。
不動産ポータルサイトには、物件の詳細な特長を紹介できる「アピールポイント」などの記載枠がありますが、これを不動産会社が適当に記載していると、購入検討者に物件の良さを正しく伝えることができません。
物件の基本情報を見ただけでは分からないような魅力を効果的にPRするような工夫が欲しいところです。
売却初心者さん
鹿児島 二郎
【 良い広告文の例 】
- 大型商業施設「▲▲」まで徒歩5分!毎日のお買い物にも、週末のお出かけスポットとしても便利です。
- 建物は◆◆ハウスの注文住宅。新築時の住宅性能評価書もございます。
- 前面道路は袋小路になっており、交通量が少なめ。小さいお子様のいる家庭も安心です。
【 悪い広告文の例 】
- ▲▲駅より徒歩16分!(概要に書いてある。しかも遠い。)
- 土地権利所有権の物件です。(普通。だから何なんだ。)
- リフォームのご相談も承ります。(もしかして汚いのかな?)
物件の広告文を読むお客様というのは、検索一覧を見て、その物件に興味を持ってクリックしています。
広告文の内容が、問い合わせするかどうかを左右する可能性もあるため、丁寧な記載をすることが必要です。
(5)隣地・隣家に営業をしていない
5つ目は、「隣地・隣家に営業をしていない」ことです。
これは、物件を高く売りたいのであれば必ずおこなうべきです。
実は、売り出した物件を隣地の所有者や、同じマンションの別の部屋に住んでいる人が買ってくれるケースというのは珍しくありません。
具体的には、以下のようなパターンです。
【 隣地・隣家が購入してくれるケースの例 】
- マンション自体は気に入っているが、手狭になってきたので広い部屋に住み替えたい。
- 親(子)がこのマンションに住んでいるため、売物件が出たら引っ越したい。
- 二世帯住宅に建て替えたいが、土地が足りないので隣地を購入したい。
上記のようなケースは、「この物件(マンション)でなければならない!」という明確な理由があるため、他の物件と比較検討されるケースが少なく、結果として高値で売却できる可能性があります。
とは言ってもいきなり隣地の方に、
「隣の物件を売っているので、買ってくれませんか!( ・`д・´)」
と訪問するわけではありません。
まずは、
「お隣のご売却を受託した者です。お客様のご案内など、何かとお騒がせをするかもしれないので、ご挨拶に伺いました。」
と軽く挨拶してもらえばOK。可能であれば、売主様も一緒に行かれるとなお良いでしょう。
近隣に購入のニーズがあれば、営業マンの渡した名刺に連絡が来るはずです。
売却初心者さん
鹿児島 二郎
全てきちんとやっているけど売れない場合は?
前述の販売活動を全ておこなっても物件が売れていない場合は、残念ながら原因は価格であることが多いでしょう。
適正相場に合わせて価格変更することをおすすめします。
また、正しい販売活動をおこなっている以上、その不動産会社・営業マンには一定の信頼がおけますので、変更後の価格は基本的に不動産会社の提案を参考に決めて問題ありません。
正しい販売活動をしてくれない場合、媒介契約の解除はできるの?
契約形態が「一般媒介契約」であれば、問題なく解除ができます。
専任媒介契約の場合は、厳密には不動産会社から広告費等の実費を請求される可能性がありますが、私は実際におこなわれた例を聞いたことはありません。
売主様から解除を申し出れば大半の不動産会社が応じてくれるはずですので、ストレートに伝えてみるのが良いでしょう。
もし揉めるようであれば、行政の窓口に相談することも可能です。
まとめ
- 物件が売れないのは、「不動産会社の販売活動」が原因の可能性あり
- 媒介契約を結んだら、「大手不動産ポータルサイトに物件が掲載されているか」を確認
- 不動産ポータルサイトで上位に表示されるかどうかは、「掲載されている画像の枚数」が影響している
- 掲載されている画像の「構図が悪い」、「暗い写真になっている」場合は要注意
- 広告文の内容は、購入検討者の問い合わせ行動を左右する
- 物件を高く売りたいのであれば、「隣地・隣家」には必ず声掛けをするべき
- 正しい販売活動をおこなっても売れない場合は、価格が原因であることが多い
- 媒介契約の解除には、大半の不動産会社が応じてくれる
今回は「広告」についてのお話がメインでしたが、魅力的な広告を作れる営業担当者は物件の良さもよく把握しているため、現地案内などの接客も得意な人が多いです。
現在依頼している不動産会社の対応に不満がある場合は、改善をお願いしたり、他の会社への変更を検討してみましょう。
鹿児島 二郎