【宅建士・FPが解説!】購入時に重視すべき「希望条件」の決め方!

この記事ではこんな疑問を解決します
・「不動産」を購入する時の「希望条件」の決め方を知りたい!
・「希望条件」って、どういったポイントを重視すればいいの?

物件の希望条件を絞り込むべきとよく聞くけど、どうやって決めたら良いか分からない。。

鹿児島 二郎

不動産の仲介営業をやっていると、お客様からこういったご相談を本当に多く頂きます。

今回は、購入時に重視すべき「希望条件」の決め方解説をしてみようと思います。

と、言っても「立地が重要だ!」「広さが一番だ!」等の決めつけをするわけではありません。

歯切れの悪い表現ですが、何が重要かは人それぞれ。万人共通の正解は存在しません

大切なのは「自分にとって重要なポイント」をきちんと見極めることです。

「それが分からないから困ってるんだよ!!」

そう思われた読者の方、ご安心ください。

鹿児島 二郎

宅建士、ファイナンシャル・プランナーの資格を持つ私が、分かりやすく解説していきます。

【宅建士・FPが解説!】購入時に重視すべき「希望条件」の決め方!

「自分にとって重要なポイント」を見極めるために、購入する物件の希望条件を考える際は、以下の手順に沿って検討を進めてください。

【手順1】「なぜ買うのか?」を考えることで購入の軸となるポイントを決める

【手順2】日々の生活費を考慮した上で「予算の上限」を決める

【手順3】「予算上限内」で「購入の軸に沿った物件」を検索する

上記の手順は、マイホームの購入を検討する「前提条件」を最初に考えて頂けるように作成しております。

例えば、手順1で検討する「買う目的」を満たせないのであれば、そもそも購入する意味がありませんし、手順2で検討する「予算の上限」を超えている物件について、良し悪しを考えても仕方ありません。

鹿児島 二郎

この手順を踏まずに、自分に合いそうな物件を漠然と考えているだけでは、本当に重視すべき希望条件を決めることは困難です。

しかし、大抵のお客様はマイホームの購入を検討し始めた頃に、SUUMOやat-homeなどのポータルサイトで適当に物件を検索します。

その結果として、

「うわあ、全然欲しい物件が無い。予算を増やさなくちゃ。。」

「予算を増やすと良い物件が出てくるな。でも、こんな大金返せるのかな。。?」

「やっぱり予算はこのくらいが限界だろうから、他の条件を調整してみよう。。」

「うわあ、全然欲しい物件が~(以下無限ループ)」

といったことになり、そのうち、何が良いのか分からなくなってしまいます。

これでは、仮に良い物件に出会えたとしても、そもそもそれが良い物件だと気づくことができません

なお、希望条件を決めるに当たって、そもそも重視すべきではないポイントというものも存在します。

こちらについては以下の記事で詳しく解説しておりますので、併せてご参照ください。

【手順1】「なぜ買うのか?」を考えることで、購入の軸となるポイントを決める

日本人は、「家を買って初めて一人前」といったような気質があり、結婚や出産のタイミングで自然とマイホームの購入を検討することが多いです。

自然に検討に至る分、「なぜ買うのか?」という根本的なニーズについては漠然としか考えていない場合が多々あります。

仲介する営業担当者も、「なぜ売るのか?」は聞いても「なぜ買うのか?」についてはあまり掘り下げて聞かないため(賃貸でいいか、等と言われても困る)、多くの方がとりあえず希望条件を設定し、物件を見始めることとなります。

鹿児島 二郎

営業マンとしての経験上、この「なぜ買うのか?」を最初に考えることが、購入判断の「納得感」を高めるための重要なポイントと考えております。

購入目的の軸となるポイントは、基本的に以下の3つに大別できます。

(1)家族と過ごす時間を大切にしたい
(2)家賃を支払うよりも得をしたい
(3)心理的な満足感を得たい

以下、順を追って解説します。

(1)家族と過ごす時間を大切にしたい

小さい子供のいるファミリー層であれば、これが軸となるケースが多いでしょう。

子供が成人するまでの期間、家族の生活を豊かにすることが最も重要となります。

【 重要となる条件の例 】

  • 子供一人につき一室の子供部屋
  • 家族が集まれる広いリビング
  • 治安の良い住環境

【 軽視される条件の例 】

  • 駅からの距離
  • 都心部へのアクセス

鹿児島 二郎

何事も子供が優先ですので、多くの場合お父さんの希望が犠牲となることが多いです。

(2)家賃を支払うよりも得をしたい

子供のいないご夫婦や、独身の方であれば、経済的なメリットが軸となります。

この場合に重視されるのは、月々のローン返済額や物件の資産価値です。

【 重要となる条件の例 】

  • 価格の安さ
  • 駅からの距離
  • 住民ローン控除等の適用可否

【 軽視される条件の例 】

  • 面積の広さ
  • 居室の数

鹿児島 二郎

特に「資産価値」は重要です。将来、子供が生まれて手狭になった時でも売りやすい物件を選びましょう。

(3)心理的な満足感を得たい

前述の(1)(2)にピンと来ない方は、おそらく心理的な満足感が重視するポイントとなります。

しかしこの場合、裏を返せば「買わなくても困らない」ということにもなりますので、(1)と(2)のどちらが近いかを考えてみるのがおすすめです。

希望条件が抽象的になりやすいのがこのパターンの特徴で、不動産営業の視点からは言い方は悪いですが「買うか分からないお客様」と判断されます。

【 重要となる条件の例 】

  • 駅や路線のブランド力
  • ディベロッパーの知名度
  • 外観や内装の豪華さ

【 軽視される条件の例 】

  • 特になし(買わなくても困らないため、気に入らない点があると妥協できない)

鹿児島 二郎

営業マンにとっては最も難しいお客様です。場合によっては積極的に相手をしないこともあります。

【手順2】日々の生活費を考慮した上で「予算の上限」を決める

【手順1】で「購入の軸」を固めることができたら、次に決めるべきなのは「予算の上限」です。

繰り返しになりますが、購入可能な「予算の上限」を超えている物件について、良し悪しを考えても仕方ありません。

特に住宅ローンを利用する場合は、月々の支払いから逆算して、無理なく購入できる物件価格を算出してください。

あえて特定のサイトはご案内しませんが、金融機関や不動産会社のHP等、一般に普及している無料アプリを用いれば、月々の支払額を簡単に試算できます。

注意点として、「借りられる金額」と「返済できる金額」は異なります

一般に、金融機関が定める年間に返済可能な限度は年収の30~35%までとなっていますが、限度額ギリギリの借入をおこなうことは基本的におすすめしません

住宅ローンの「借入可能金額」については、以下の記事で詳しく解説しております。

鹿児島 二郎

ちなみに私のおすすめする予算上限は、年間のローン支払額(借入比率)を年収の25%までに設定することです。

この水準であれば、ローン審査に落ちることはまず無いですし、生活が圧迫されるリスクも低減できます。

あくまでも目安ですが、借入比率25%になる予算上限を年収順に並べると以下のようになります。

  • 年収400万円
    物件価格:約3,100万円、月額ローン返済額:約83,000円
  • 年収500万円
    物件価格:約4,010万円、月額ローン返済額:約104,000円
  • 年収600万円
    物件価格:約4,810万円、月額ローン返済額:約125,000円
  • 年収700万円
    物件価格:約5,580万円、月額ローン返済額:約145,000円
  • 年収800万円
    物件価格:約6,390万円、月額ローン返済額:約166,000円
※上記は、金利:0.5%、返済年数:35年間、元利均等返済方式を採用したと仮定して月々の支払額を試算した場合、以下の計算式にて算出した返済比率が約25%となることを確認した概算値です。
< 月額ローン返済額×12か月÷年収×100 >

注意点として、予算の上限を決めたら、それよりも明らかに高額な物件(予算上限の120%以上が目安。上限が3,000万円であれば3,600万円以上の物件)は見ない方が良いです

鹿児島 二郎

人間とは贅沢な生き物で、キラキラの物件を見るとそれが欲しくてたまらなくなります。症状が悪化すると、「安くて優れた掘り出し物」物件を探し続ける旅人となりますので、高い物件の検索は参考程度に止めてください。

「掘り出し物」物件については、以下の記事で詳しく解説しております。

【手順3】「予算上限内」で「購入の軸に沿った物件」を検索する

予算の上限が決まったら、これだけは「譲れない条件を設定して、SUUMOやat homeなどのポータルサイトで物件を検索してみてください。

手順1で解説した「なぜ買うのか?」の答えが、あなたにとっての「譲れない条件」です

その際、他の条件も自由に設定して頂いて大丈夫ですが、「譲れない条件」と「予算の上限」だけはブレないようにします。

希望に添う物件があれば、問い合わせの上で内見をしてみましょう。

「手順通りに検討してみたけど、やっぱり条件と予算が合わないよ。。」

こんな状態になってしまった方は、残念ながら「希望条件の決め方」以前に、マイホームを購入するに当たっての予算が少なすぎると思われます。

「年収を上げる」「自己資金を貯める」といった方法で、最低限の準備を整えましょう。

「それでも諦められない!」そんなあなたは以下の記事をご参照ください。

まとめ

  • まず「なぜ買うのか?」を整理する
  • 日々の生活費を考慮した上で「予算の上限」を決める
  • 物件を検索する際、「なぜ買うのか?」の答えと「予算の上限」はブレないように注意

「希望条件の決め方」が分かったあなたは、理想のマイホームに一歩前進です。

素敵な住まいが見つかることを祈っています。

鹿児島二郎

 

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