【宅建士が解説】不動産投資で素人が騙されてしまう理由

この記事ではこんな疑問を解決します
・よく「不動産投資で騙された」と聞くが、なぜ正しい選択ができないの?
・不動産のプロと呼ばれる人は、どうして良い物件かどうかを判断できるの?

「不動産投資」は、裾野の広い不動産業界の中でも最もディープな分野です。

「毎月の家賃収入を得て、経済的自由を手に入れたい!!」

「自分も大家になってFIREを実現したい!!」

そんな初心者投資家の夢を、今日もどこかで百戦錬磨の不動産営業が狙っています。

これだけインターネットが普及した情報化社会においても、不動産投資で損をしたという事例は後を絶ちません。

今回は「不動産投資で素人が騙されてしまう理由」と題して、人々が不動産屋に騙されてしまう原因を解説します。

是非最後までご覧ください。

「不動産投資」の世界は、プロ・素人間の「経験値」の差が最も大きく現れる

損をする人が後を絶たない本質的な要因は、不動産投資では、プロ・素人間の「経験値」の差が最も大きく現れることにあります。

これだけではピンと来ない方もいらっしゃると思いますが、分かりやすく言うと、不動産投資はマイホームの購入に比べて、買った後の状況をイメージしにくいのです。

人は通常、新しいことを始める時には、以下の情報を頼りに良し悪しを判断します。

  1. 自分自身の経験
  2. 信頼できる人からのアドバイス
  3. 知らない人や本、インターネットから得る知識

この3つの情報の格差が、プロと素人では極めて大きくなります。

以下、順を追って解説します。

(1)自分自身の経験

「僕の家はお金持ちだから、数年前からおじいちゃんにプレゼントしてもらった投資用マンションで不動産投資をしているんだ!この経験を活かして、安定的な収益を生み出す物件を買い増していくよ!」

もしこういった人がいたならば、こんな寂れたブログなど読まなくても成功します。不動産屋に行って、紹介された物件の中から良さげなものを見繕ってください。

どんな仕事でもそうでしょうが、人はその分野での成功や失敗といった経験を積み重ねることによってスキルを高めていきます。不動産投資も例外ではなく、自分自身が実際に体験してみるということは、成功に近づくための重要な要素です。

しかし、不動産というのは大きな買い物です。

「失敗するかもしれないけど、とりあえず1つ買ってみて経験を積もう!」

こんな経済的余裕がある人はまれでしょう。大抵の場合、失敗したら大ダメージを負う一発勝負をかけることになります。

これは言うなれば、大学生が小学生から貯めた貯金全額を持って、初めての有馬記念で全額をベットするようなものです。どんな馬が強いのかなんて分からず、哀れ、大事な貯金はお馬さんのエサ代となってしまうでしょう。

その点、不動産屋は仕事で何回もの取引を経験してきたプロ中のプロ。管理もやっている会社であれば、どんな物件が安定的に収益を生み出すのかも熟知しています。

鹿児島 二郎

ですので良い物件であれば自社で保有したり、得意先の地主や買取業者に仲介し、持っていても赤字を垂れ流しそうな物件は一般消費者に売りつけるというわけです。

新築ワンルームの営業マンを語る上でよく言われることですが、

「そんなに良い投資物件なら自分で買えば良いのでは?」

という本質的な疑問は、結論としてけっこう的を射ています

肌感覚の説明で恐縮ですが、一般消費者に回ってくる投資物件の内、7割くらいは割高な値段で販売されている物件です。

残りの2割強が普通の物件。たまーに1割弱くらい、相場をよく理解していないピュアな仲介会社が売り出す良さげな中古物件が出てくる、といったところでしょうか。

そんな状況の中、暮れのグランプリで中山競馬場の直線を一番に駆け抜けるお馬さんを引き当てる必要があるわけですから、騙されるのも無理のないことです。

今回の本題とは外れますが、初心者が不動産投資を始める際は、地味でもコツコツ稼げる小ぶりな物件を選ぶべきです。

この辺りはまた、別の記事を作成して解説しようと思います。

(2)信頼できる人からのアドバイス

自分自身で経験するよりは可能性が高いかもしれませんが、不動産の見識が深く、有益なアドバイスをしてくれる専門家が知り合いにいるという方も少数派でしょう。

不動産投資をするなんて今まで考えたことも無い親や妻(夫)に話したところで、おそらく前向きに相談に乗ってくれることはありません。

あなたが「金持ち父さん 貧乏父さん」を片手に、いかに経済的自由を得ることが重要かを熱弁したとしても、

「投資なんて怖いから止めて(゚Д゚)!!!!」

と猛反対に遭うのがオチです。

反対を押し切って始めるのか、家族には内緒で購入するのかの2択を迫られることになります。

この点、不動産営業は百戦錬磨の先輩社員から営業トークを盗み、不動産の知識も、お客様に購入を決断させるノウハウも豊富に蓄えています。

 

素人には物件の良し悪しを判断できないことも知っています。

 

奥さんには内緒のまま買わせてしまった方が良いことも知っています。

 

「金持ち父さん 貧乏父さん」だけを読んで気持ちが盛り上がっている人が格好のカモであることも、もちろん知っています(^ ^)

 

不動産投資を始めるのであれば、可能な限り信頼できる専門家に相談してからの方が望ましいです。

それが難しいのであれば、信頼できる人の人脈を頼って何とか紹介してもらいましょう。

ちなみに、不動産会社の開催するセミナーに行って話を聞く際は十分ご注意ください。セミナーに行くこと自体は構いませんが、自分自身でもしっかりと不動産について調べてから行くことをおすすめします。

鹿児島 二郎

私は不動産に関しては絶対に騙されない自信がありますが、かつて結婚式の式場を決める際は、ブライダルフェアの当日に申し込んで最終的に見積額をはるかに超える高額な料金を支払いました(´;ω;`)。相手はプロですから、自分だけは大丈夫!なんて油断は禁物です。トホホ。。

(3)知らない人や本、インターネットから得る知識

ここまで読み進めて頂いた方はもうお気付きの通り、(1)や(2)の情報を得ることができない素人が最終的に頼るのが、「知らない人や本、インターネットから得る知識」となります。

前述した「金持ち父さん 貧乏父さん」を始め、世の中には投資のバイブルと呼ばれている書籍があふれています。書店の投資コーナーに行けば、不動産投資を勧める自称プロ投資家の書いた本がたくさん並んでいるはずです。

なぜか。それは「経済的自由を得たい!」という方からのニーズを満たすことで、本が売れるからです。

また、Googleで検索すれば、投資用不動産を販売している不動産会社の運営するホームページで、不動産投資にまつわるコラムを無料で読むことができます。

なぜか。それは何も知らない素人を集客し、自社の投資用不動産を買ってもらうためです。

不動産投資を勧めるコンテンツが多く目に止まる一方、不動産投資の危険性やリスクについて詳しく解説する情報はそれほど多くはありません。

なぜか。そんなことをしても得られる利益が無い、若しくは少ないからです。

こうして、不動産投資のメリットばかりを学んだ初心者が不動産屋に問い合わせをおこない、営業マンのスマイルを信じて物件を購入し、思ってもみなかった損失を被るという図式が完成します。

不動産投資に関する書籍については有益なものも多く、不動産営業マンの多くも目を通しています。

鹿児島 二郎

「金持ち父さん 貧乏父さん」は私も読みました。

ですが、プロはこうした知識を得る際も、それが真実なのか?根拠はあるのか?例外は無いのか?といった視点で情報をより分けることができます。不動産に関する市況や、法規制といった基礎知識が備わっているからです。

こうした土台の知識が無い状態で不動産投資の情報を取り入れてしまうと、往々にして、情報を自分に都合良く解釈してしまう傾向にあります。

例えば、「東京23区はワンルームの建築規制がある影響で、単身者向けの物件が供給不足になる可能性が高い」という情報を得て、

「23区内で新築のワンルームを買ったら儲かるに違いない!」

などと早合点してしまうような事例です。

実際には、23区の中でも区ごとの格差が存在しますし、23区であること以前に、相場より割高な物件や、駅から離れている物件は避けなければなりません。

情報を正しく理解するためには、まずは「不動産」そのものを学ぶ必要があることを覚えておいてください。

まとめ

  • 「不動産投資」で損をする人が後を絶たないのは、プロ・素人間の「経験値」の差が大きいから
  • 初心者が低リスクで「不動産投資」の経験値を積むことは難しい
  • 信頼できる人からのアドバイスが得られずに失敗するケースが多い
  • 本やインターネットから得る知識の良し悪しを判断するために、まずは「不動産」そのものについて学ぶ必要がある

当サイト「不動産屋の嘘と真実 ~売買仲介解説~」では、「不動産」そのものについて学べる解説記事や、不動産業界の実情を紹介したコンテンツを多数掲載しております。

不動産営業マンに騙されないための知識を身に着けたい方は、是非他のページも覗いてみてください。

鹿児島 二郎

 

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