この記事ではこんなお悩みにお答えします
・ポータルサイトで自分の希望条件に合った物件を探し続けているが、一向に見つからない。
・希望条件を妥協しなければならないと感じているが、どの条件を妥協すべきか?
マイホームの購入は「一生に一度の買い物」と言われます。
今は子供の独立など、ライフスタイルの変化に合わせて住み替えをされる方も多いですが、初めてマイホームを購入される方の中には、まだまだこうした意識は根強いです。
その結果、往々にして引き起こされるのが「希望条件細かすぎ問題」です。
長く住むマイホームに対して、こだわりが強くなるのは無理のないことです。
しかし、あまりにも沢山の条件を設定してしまうと、希望通りの物件に巡り会うことは不可能に近くなり、差し詰め「長期婚活中」のような状況に陥ります。
今回は、私が過去にお客様へご提案した、「妥協すべき希望条件のポイント」をご紹介します。
お気持ちは理解できるものも多いのですが、マイホームを手に入れるためには、どれもこだわりを捨てるべき部分です。
目次
その希望条件は要りません!妥協すべきポイントを解説
(1)近隣に変な人が住んでいないこと
「近隣に変な人が住んでいると困るので、事前に調べてもらえますか?」
過去に私が、とあるお客様から実際に頂いたご要望です。
意外と希望条件に入れてしまう方が多いのですが、これは捨てるべきこだわりの代表格と言えます。
近隣からの騒音トラブル等は、マスコミでも度々取り上げられていますし、気になる気持ちは分かります。
しかし、近隣に住む人というのは、いつ引越で入れ替わるか分からないものです。仮に今現在問題が無かったとしても、将来もそうとは限りません。
それでも不安が拭えず、中には購入判断の際、近隣に聞き込み調査をして欲しいという方までいらっしゃいますが、これは最悪のパターンです。
もし調査の結果その物件を購入することになったとすると、「この辺に変な人住んでませんか?」等と事前に聞いてきたあなた自身が、ご近所に取っては「気分の悪い事を聞いてきた変な人」になってしまいます。
鹿児島 二郎
(2)家族が遊びに来たときに泊まれる部屋が欲しい
「孫が遊びに来た時に止まれる部屋が欲しいから、4LDKの戸建てを希望しています」
私が駆け出しの営業マンであった頃、リタイア後のご夫婦から頂いた希望条件です。
これも孫のいる高齢者の方等を中心に、少なくない割合で希望されます。お孫さんの顔を頻繁に見たいお気持ち、分かりますよね。
しかし考えてみて下さい。果たして息子さんや娘さんが、孫を連れて遊びに来る日は年に何回ありますか?
数少ないイベントのために、夫婦二人の住まいに4LDKの間取りを選ぶのは、明らかに過剰なスペックです。
確かに、今の高齢者の方の年代は、ご自身が現役の時に子供を連れて帰省したような広い実家に、家族が集まるイメージがあるでしょう。
しかし、新たに探す家で一番大切なのは、日々そこで暮らしていくあなたにとって最適な住まいであること。
年に数回しか使わないお部屋を確保するために広い住まいを選ぶよりも、利便性の高い駅近のマンションや、少しコンパクトなサイズの戸建てを選ぶ方が、ご自身の老後を快適に過ごすことができるはずです。
また、利便性の良い物件は一般的に資産価値が高く、将来、お子さんが相続をする際に高い価格で現金化しやすいというメリットもあります。
鹿児島 二郎
(3)眺望が良い
「高いところから景色を見るのが好きなので、眺望の良いマンションが希望です。」
以外に思われるかもしれませんが、眺望も重視すべきではない条件の一つです。
綺麗な景色を見ながら優雅な時間を過ごせるのは素晴らしいことですが、二つの理由からお勧めしません。
飽きる
自宅から見える景色というものは、毎日目にするものです。買った当初は満足感が大きいかもしれませんが、いずれは飽きて眺めなくなることでしょう。
周りに高い建物が建つことがある
眺望が良いということは、周辺地域も高い建物を建築できるエリアである可能性が高いです。
当初は富士山や駅前の夜景が見える物件であっても、視線の先に同じくらい高い建物が建つと、悲しいことに見えなくなってしまいます。
傾斜地に建つ戸建等、視線を遮る建物が建ちにくいケースもありますが、その場合は急坂や土砂災害リスクといった条件を受け入れることになりますので、やはり眺望へのこだわりを捨てた方が無難でしょう。
鹿児島 二郎
体験談:私が出会ったお客様のお話
最後に、かつて私が出会った希望条件の細かいお客様のお話をご紹介します。
若干脚色してありますが、実際にあった事例です。
そのお客様はご夫婦でお住まいになるマンションを探しており、荷物が多いことと、やはり孫が遊びにきたときのことを考えて3LDK以上の間取りが希望条件。
また、眺望に深いこだわりがあり、最低でも5階以上のお部屋を希望していました。
ついでに「バルコニーに余裕を持って椅子を置けるスペースがあること」というおまけつき。。
それ以外にも、
- 狭い部屋は使いづらいから、全ての居室が6畳以上無いとだめだよね!
- スーパーは徒歩5分圏内にないとね!
- もちろんオートロックは必須で!
何度も物件をご案内するうちにどんどん希望条件が増えていき、半年探し続けてさすがに諦めかけていた頃、ついに条件にピッタリ合う物件を発見!!
私はすぐにお客様を現地にご案内しました。
鹿児島 二郎
契約してくれるかと思ったその時、、
「たしかに条件通りだけど、何かピンと来ないんだよねー」
鹿児島 二郎
今思えば当時新人だった私は、お客様にとって本当に大切な希望条件を見極められていなかったのでしょう。いや、お客様自身も、何が良い物件なのかが分かっていなかったのかもしれません。
ここでお伝えしたいことは、数多くの細かい条件に合っているからといって、それが満足感につながるとは限らないということです。
自分にとって、本当に大切な希望条件とは何なのか?
物件探しで壁にぶつかっている方は、立ち止まってしっかりと考えてみましょう。
鹿児島 二郎
まとめ
- 近隣に住む人は選べない
- たまに来る孫のためだけに広い家は必要ない
- 素晴らしい眺望はいずれ飽きるし、将来見えなくなる可能性がある
- 「自分にとって、本当に大切な希望条件とは何なのか?」を考えることが大切
妥協すべき条件と、絶対に譲れない条件を見極めること。
それさえできていれば、あなたにとって最適な物件が見つかるはずです。
素敵な住まいに出会えることを祈っています。
鹿児島二郎