この記事ではこんなお悩みにお答えします
・不動産の売却を検討しているので、失敗しないための注意点を知っておきたい。
・現在販売活動中だが、一向に売れる気配がない。うまくいかない原因を知りたい!
このブログでは、不動産の売却に関する様々なノウハウをご紹介しておりますが、そういった勝ちパターンとは反対に、失敗してしまう行動の典型例というものも存在します。
そして、この失敗パターンとは決して一部の方にだけ当てはまるものではなく、日々、様々な場所で不動産の売却がおこなわれている中で、頻繁に発生しているものです。
今回は、個人のお客様が不動産の売却に失敗してしまうケースとして、代表例を3つご紹介します。
これから不動産の売却に臨まれる方は、同様の失敗をしないためにも、是非最後までご覧ください。
不動産売却が失敗する3つのパターン
(1)一般媒介で3社以上に依頼する人
1つ目は、「一般媒介で3社以上の不動産会社に依頼してしまう」パターンです。
専任媒介と専属選任媒介では、1つの不動産会社にだけ売却を依頼する形になりますが、一般媒介では依頼する不動産会社の数に制限がありません。
それをいいことに、多数の不動産会社に同時に売却を依頼してしまい、結果的に失敗してしまう方をよく見かけます。
一般媒介のデメリットについては、以下の記事でも詳しく解説をしています。
一般媒介のデメリットについてはさておき、不動産会社の営業担当者は、一般媒介で多数の不動産会社に売却依頼をしている物件、あるいは売主様を冷ややかな目で見ています。
なぜなら、多数の不動産会社に依頼をするという行為に至るのは、売主様が
「自分の物件が売れないのは不動産会社の売り方が悪い!」
と考えているようにしか見えないからです。
あまり良くない表現ではありますが、
「私が結婚できないのはお見合い相手や結婚相談所が悪い!私は悪くない!」
と言っている婚活中の方と同じで、自分の物件を客観視できていないと判断されます。
不動産売買と婚活の共通点については、以下の記事でも詳しく解説をしています。
厳しいことを言うようですが、よっぽどのことがない限り、物件が売れない本質的な理由は不動産会社の営業手法ではありません。
一般媒介を選択すること自体が必ずしも悪いとは言いませんが、スムーズな売却を実現させるためには、自分の物件に対する需要というものを冷静に見極められる視点を持つ方が賢明と言えます。
鹿児島 二郎
(2)販売期間が長期化しても値下げしない人
2つ目は、「販売期間が長期化しても値下げできない」パターンです。
SUUMOやat-homeといった不動産ポータルサイトが普及した昨今において、販売開始された物件の情報はおおよそ1か月程度で市場に周知されます。
つまるところ、1か月を経過しても一切問い合わせや内覧希望がない状況であれば、たとえそれが不動産会社の査定価格通りだったとしても、金額が相場と乖離している可能性が高いです。
鹿児島 二郎
問い合わせがない状況のまま物件をポータルサイト上に掲載し続けていると、その物件はどんどんと「売れ残り」として購入検討者から認知されていきます。
こうなると、
「売れ残っているということは何か致命的な理由があるのだろう。。」
と邪推されることになりますので、見た目のスペック以上に物件の市場競争力が低下してしまうのです。
それを防ぐためには早急に価格の見直しをおこなう必要がありますが、ここで値下げを決断できない売主様は珍しくありません。
一度高値で販売活動を始めた以上、相場より高いという認識があっても心のどこかではその金額で売れることを期待してしまうため、ある意味仕方のないことではあります。
この点は不動産会社の営業戦略にも問題があり、売主様から専任媒介の依頼を獲得するために、意図的に高い査定金額を提示する営業担当者が多いため、適正に売出価格の設定をおこなっていれば売却できたであろう物件が、市場で塩漬けにされてしまう原因となっています。
適正な売出価格については、以下の記事でも詳しく解説をしています。
当初の売出価格で販売活動をおこなった結果、反応が芳しくなかった場合はしかるべきタイミングで値下げを検討されることをおすすめします。
鹿児島 二郎
(3)室内の掃除や荷物の片付けをしない人
最後にご紹介するのは、「室内の掃除や荷物の片付けをしない」パターンです。
これは「居住中」「空家」どちらのパターンでも言えます。
築年数が極めて古く、土地売りでの販売をおこなっているような物件ならまだしも、建物を買い手にそのまま使ってもらう前提で販売するのであれば、商品の印象を少しでも良くするのは売主として当然の努力です。
昨今、古いマンションのお部屋をフルリノベーションした物件の販売が好調に推移しているのは、「見た目」の与える印象が買主様の購入判断に重要な影響を与えることを示しています。
全ての物件がそうではありませんが、リフォーム価格に不動産会社の利益を上乗せしても売れているわけですから。
いざ販売活動を始めるに当たっては、居住中であれば内覧前や広告に使用する写真の撮影時には水回りの付近においてある洗剤等を撤去し、できる限り生活感を出さないようにすることが大切です。
当たり前のように聞こえるかもしれませんが、配慮の無い売主様が非常に多いです。
SUUMOやat-homeで物件を検索してみると、洗面所においてある小物に申し訳程度のぼかしを入れた写真が大量に出てきます。
これが私のお客様であれば、絶対にこうした写真を掲載することはおすすめしません。
居住中の場合だけでなく、現在は空家の状態でも、相続で取得した物件等で荷物が大量に残っている場合は、早めに業者を手配して撤去してもらいましょう。
思い出の品を捨てることには抵抗があるかもしれませんが、売却が決まった場合はどうせ引き渡しまでに撤去しなければならないものです。
いずれ実施するのであれば、購入検討者が物件を内覧する段階で片づけておくに越したことはありません。
売主様にとっては「売った後は関係無い」物件であっても、買主様にとってはこれから新しい生活を始める「夢のマイホーム」です。
相手の立場に立って、物件の第一印象を少しでも良くできるように心掛けましょう。
鹿児島 二郎
まとめ
- 「一般媒介で3社以上の不動産会社に依頼してしまう」人は、物件の市場価値を客観的に見れていない
- 「販売期間が長期化しても値下げできない」人は、自ら物件に「売れ残り」のレッテルを貼ってしまう
- 「室内の掃除や荷物の片付けをしない」人は、買主の立場に立った気遣いができていない
一般媒介や値下げのお話は、不動産会社の営業担当者でも売主様に嫌われることを恐れて強く提案できないことが多いです。
ラッキーなことに実状を知って頂いた読者の方の売却活動が、素晴らしいお取引になることを祈っています。
鹿児島 二郎