・これから不動産屋に就職するので、使える営業テクニックが知りたい!
・なかなか思うように成績が上がらないのでコツを教えて欲しい!
新人営業マン
鹿児島 二郎
不動産の売買は人生の一大イベントです。
重要な取引であるがゆえ、誰しもが信頼できる優秀な営業マンに任せたいと思っています。
営業マンがお客様の信頼を勝ち取るために身に着けておくべき知識は、法律、相場、税金、建築、地域の情報など、極めて多岐に渡ります。
当然ながら、こうした知識は豊富な経験を有するベテラン営業ほど多く兼ね備えており、新人営業マンが競合他社の猛者に打ち勝っていくのは至難の業です。
ところがどっこい、会社はいつまでも新人の成長を待ってくれるわけではありません。
会社によって違いはありますが、いつかは自分のノルマを持たされ、数字を追いかけることになります。
鹿児島 二郎
今回は、新人営業マンが弱肉強食の不動産業界で生き残るための営業テクニックを紹介します。
ご紹介するテクニックは全て、私自身が入社2年目までの間に実践し、契約に至ったものです。
このテクニックを使うことで、2年間で20件以上の契約をすることができました。大手の看板があるとはいえ、駆け出しの営業マンとしてはそれなりの実績かと思います。
これから不動産営業マンとして働き始める方、今まさに営業成績に悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
不動産営業の使うテクニックとしては「まわし物件」が有名です。推奨する意図はありませんが、「まわし物件」についてご存知ない方は以下の記事をご参照ください。
目次
不動産屋の営業テクニックを教えます【新人向け】
今からご紹介するテクニックの本質は、「知識や経験で勝負しないこと」です。
新人営業マン
ですが、新人営業マンが、ベテラン営業マンに知識や経験で勝負を挑んでも敵うわけがありません。
鹿児島 二郎
ではどうすれば良いのか。。?
それは、ベテラン営業マンではできないスタイルで差別化をすること。
「若さ」という価値を活かすことで、お客様の心をガッチリと掴むのです。
営業マンにとって経験の少なさは「不利」だが、若さは「武器」になる
経験が少ないということは、お客様へプロとしての信頼感を与える上では「不利」に働きますが、若く、フレッシュであることは強力な「武器」にもなります。
営業の世界に限らず、世の中は「若い」というだけで得することが結構あるのです。
具体的には、以下のようなメリットがあります。
-
元気さ、明るさを肯定的に捉えてもらいやすい
- 頑張っている姿が伝わりやすい
-
少々の失敗であれば許して貰える
営業マンとして戦う上で、この「武器」を活かさない手はありません。
大切なのは経験が無いことを嘆くのではなく、自分の持っている魅力を最大限に活用することです。
新人営業マン
鹿児島 二郎
新人営業マンが活躍するための営業テクニック
それでは、「新人営業マンが活躍するための営業テクニック」を解説します。
若者であることのメリットを活かした、それでいて「誰でもできる」内容ばかりですので、しっかりと読み込んだ上で実践してみてください。
(1)汗だくチラシ作戦
1つ目は「汗だくチラシ作戦」です。
これは、媒介契約をお預かりしている売主様の自宅を販売する際のテクニックになります。
手順はまず、媒介物件の販売チラシを作製してください。
反響を獲得するのが主目的ではないため、クオリティはそれなりでもOKです。
チラシが用意できたら、印刷した束を持って売主様が家にいる時間帯を見計らって自宅の近くまで行き、汗びっしょりになるまで高速でチラシを撒きまくります。
半分ほど撒き終わったら、売主様の自宅をピンポンします。
売主様
新人営業マン
売主様
汗だくでチラシを撒いたあなたの姿を見た売主様は、うれしい気持ちでいっぱいです。
仮にチラシ広告の反響が無くても、必死に頑張る姿を見せたことが、後の値下げ提案や価格交渉で効果を発揮します。
新人営業マン
売主様
このテクニックは1回でも効果がありますが、2回、3回と繰り返すのが有効です。
心理学的にも、人は接触回数が多くなることで相手への親近感を感じるので、会えば会うほどあなたに対する売主様の信頼感は高まります。
鹿児島 二郎
ただし、2回目以降は「チラシのデザインを変える」「チラシを封筒に入れてみる」等の工夫をおこなってください。
頑張る姿を見せることは大切ですが、毎回同じことを繰り返して反響が無いと、何の戦略も無いように見えて返ってマイナスになる場合があります。
新人営業マン
鹿児島 二郎
(2)100枚図面
2つ目は「100枚図面」です。
これは、物件の購入を検討しているお客様から購入申込書を頂く直前の段階で使うテクニックになります。
まずは本命となる物件を決め、その物件の比較対象となる売出事例と成約事例の図面を50枚ずつ印刷してください。
近隣だけでは足りない場合は、隣の駅の売出事例や、3年以上前の成約事例でも問題ありません。
このテクニックで最も重要なのは、お客様にお渡しする図面の数を確保することです。
その際、綺麗に製本する必要はありませんが、売出事例は最低でも自社のものに「帯替え」しておきましょう。
用語解説:「帯替え」とは?
自社以外の不動産会社が作成した販売図面の下部に記載してある連絡先情報などを、自社の情報に変更すること。顧客が他社に問い合わせをしてしまうと仲介手数料が貰えないため、業界では一般的におこなわれている。
図面の束を営業カバンに忍ばせ、本命物件の購入判断を迫る商談に臨んでください。
購入申込書を書くという行為は、お客様にとって「一生に数回しかない取引」を決断するということ。
当たり前ですが、多くのお客様がこの決断を迷います。
その瞬間が、あなたが苦労して用意した「100枚図面」の出番です。
営業カバンから、そっと図面を取り出してください。
買主様
新人営業マン
買主様
このテクニックには2つの効果があります。
1つは、あなたが数多くの情報を調べたという努力がお客様に伝わること。
もう1つは、「もっと良い物件があるのでは。。?」というお客様の迷いを払拭できることです。
新人営業マン
鹿児島 二郎
更に補足すると、売出事例に関しては理由の書き込みでOKですが、成約事例に良い物件が多い場合は、念のためそのエリアの相場推移を確認できる資料も用意しておきましょう。
数年前よりも相場が上がっていれば、過去の成約事例の方が安いことへの裏付けになります。
それに加えて、
来年には今よりもっと相場が上昇したり、金利が上がっている可能性もあります。
このように伝えれば、「今は買い時ではない」という迷いもけん制できます。
新人営業マン
鹿児島 二郎
(3)上司褒め作戦
3つ目は「上司褒め作戦」です。
このテクニックの良いところとして、売主様、買主様を問わず、どんな取引にでも使えます。
新人営業マン
鹿児島 二郎
人は、自分で自分の実績や頑張りをアピールされると嫌悪感を抱きますが、同じことを第三者の意見として聞くと素直に受け取る傾向があります。
こうした状態を作り上げるために、上司を利用するのです。
手順はまず、当たり前ですがお客様との面談に同席して欲しいことを上司に伝えます。
売主様に価格を下げて欲しいのか、買主様に購入希望価格を上げて欲しいのかなど、「お客様に何を伝えたいのか」を明確に報告した上で、以下のようにお願いします。
「もう少しで契約できそうな案件なのですが、私が新人ということで、お客様が決断を不安に感じているようです。課長、営業に同行してもらえませんか?」
新人営業マン
鹿児島 二郎
上司に要求を伝えるのは、「お客様とお会いする直前」がおすすめです。
お客様の家の前まで来てから、
「では、お願いします。僕のこと褒めてくださいね!」
とそれとなく伝えればOK。
これから商談というタイミングなので、上司も深く考えずに「わかったわかった(笑)」と言ってくれることが多いです。
こうすれば晴れて、商談中に上司があなたを褒めてくれます。
お客様
上司
お客様
また、このテクニックを使うことで、お客様に「会社として対応してくれている」という印象を与える効果も期待できます。
担当者が新人であれば、多かれ少なかれ、お客様が不安を覚えるのは無理もありません。
上司を同席させることで、常にベテランがサポートしているということを示すのです。
新人営業マン
鹿児島 二郎
まとめ
- 営業マンにとって経験の少なさは「不利」だが、若さは「武器」になる
- テクニックの本質は、「知識や経験で勝負しないこと」
- 汗だくでチラシを撒いて、お客様に努力を示す
- 100枚の図面を見せて、提案の説得力を上げる
- 上司に褒めてもらうことで、お客様からの印象を良くする
不動産営業は大変な仕事ですが、お客様の人生に関わり、取引が無事に終わった際は深く感謝して頂けることも多い、やりがいのある仕事です。
新人営業マンの皆様が本稿を参考に活躍されることを願っています。
鹿児島 二郎