この記事ではこんな疑問にお答えします
・不動産売買仲介の会社に就職したいので、必要な資格を教えて欲しい。
・宅建が重要だと聞いたけど、それだけで大丈夫なの?
就活生くん
鹿児島 二郎
不動産業界への就職と聞いて、最初に頭に浮かぶのは「宅建」かと思います。
正式名称は「宅地建物取引士」。この資格を持っていると、資格者として以下の独占業務をおこなうことができます。
【 宅地建物取引士の独占業務 】
- お客様への重要事項説明
- 重要事項説明書への記名・押印
- 売買契約書(37条書面)への記名・押印
実は、どこかの不動産屋に就職するだけなら、「宅建」は必ずしも必要ありません。
しかし、あまり世間では知られていないのですが、「宅建」が無い状態で働くことについて、「具体的にどう困るのか?」は認識しておくべきです。
加えて、売買仲介の業務をおこなうに当たっては、「宅建よりも重要な資格」というのも存在します。
そこで今回は、大手仲介会社に勤める私が「不動売買仲介に必要な資格ランキング」と題して、「なぜ必要なのか?」、「持っていないと何が困るのか?」を解説します。
これから売買仲介会社への就職を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次
不動産売買仲介に必要な資格ランキング!一番重要なのは宅建じゃない?
第3位 「大卒資格」
第3位は「大卒資格」です。
就活生くん
鹿児島 二郎
新卒・既卒に関わらず、未経験で不動産業界に就職をするのであれば「大手仲介会社」を選ぶべきです。
規模の小さい会社では、自社の営業マンに十分な反響情報を振り分けることが難しいため、新人は自分でチラシのポスティングをするなどの方法で見込み客を開拓する必要があります。
業界未経験の方が自分で集客をおこない、かつ、そこから得た数少ない反響情報を成約に導くというのは、はっきり言って相当難しいです。
そのため、集客力に強みのある大手に就職すべきなのですが、大手仲介会社への就職は「大卒」であることが有利です。募集要項にはっきりと「大卒以上」と書いてある場合もあります。
就活生くん
鹿児島 二郎
また、中には、
将来は独立するつもりだから学歴は関係ない!
それに、独立後のノウハウを学ぶためには小さい会社の方が適しているよ!
といった考え方を持っている方もいらっしゃるかもしれませんが、不動産業界というのは世間が思っているより「横のつながりが強い世界」です。
これから売出しを開始する新築物件の情報を教えてもらったり、時にはお客様として知り合いを紹介してもらえたり、、業界で活躍していくには、時に人脈がものを言います。
そして、この人脈を作っていく上でも「大手の看板がある」というのは非常に有利です。
大手の社員であれば、買取業者の社長や士業の先生が、大手の情報網から発生する仕事に期待してチヤホヤしてくれます。
独立後の人脈を作る上でも、最初は大手に入っておいた方が得することが多いでしょう。
就活生くん
鹿児島 二郎
第2位 「宅地建物取引士」
第2位は「宅地建物取引士」です。
就活生くん
鹿児島 二郎
「宅地建物取引士」を持っていると、冒頭でご説明した独占業務をおこなうことができますが、不動産営業にとって最も重要な仕事は、お客様を接客して売上を上げることです。
また、法律上も「宅地建物取引士」は一つの事務所毎に5人に1人いれば足りるため、宅建が無くても採用してくれる企業はあります。
ここまではネット等で検索すればすぐに知ることができる情報ですが、宅建の有無が具体的にどういった影響を及ぼすのかについては、意外に実情が知られていません。
そこで、本記事では「宅建を持っていないと何が困るのか?」についてもご紹介します。
「宅建を持っていないと何が困るのか?」
① 売上の一部を同僚に取られる
1つ目は、「売上の一部を同僚に取られる」ことです。
不動産仲介の世界で働く以上、自分の売上がそのまま給料反映される「歩合給」をたくさんもらいたいものですよね。
しかし、宅建を持っていない営業マンは自分で重要事項説明をおこなうことができません。
要するに、1人で取引を完結させることができないのです。
そうなると、重要事項説明は同僚や上司に代わりにやってもらう必要があるため、その人にも売上の一部を分けてあげることになります。
上司がプレイングマネージャーでは無い場合は全て自分の売上になるかもしれませんが、それでも会社によっては歩合率を下げられてしまうかもしれないため、営業マンとして稼ぐ上では大きく不利になります。
② 昇給・昇格に影響する
2つ目は、「昇給・昇格に影響する」ことです。
会社によりけりではありますが、私の勤める大手仲介会社では、宅建を持っていない社員は昇格することができません。
それも「管理職になれない」といったレベルの話ではなく、何年経っても最下級の「見習いランク」のままです。
これも私の会社の話ですが、通常、新入社員として入社すると3~4年で「普通ランク」へ昇格できるのですが、これは「宅建」を保有していることが条件となっています。
いつまで経っても半人前扱いであるため、当然給料も上がりません。
大手ではあまり見られませんが、比較的、小・中規模の会社で導入されている月数万円の「宅建手当」も貰えませんので、こういった部分でも月々の給料が下がることで損を被ることになります。
③ 顧客から信頼されにくい
3つ目は、「顧客から信頼されにくい」ことです。
ネットが普及した現在では、多くのお客様が事前に不動産について勉強した上で問い合わせをおこないます。
少し調べれば、「宅建を持っていない営業マンはやめておけ!」といった論調の情報が大量に出てくる状態ですので、これは競合他社と売却や購入の依頼を争う中で非常に不利になります。
また、これは新人の場合には特に顕著です。
私は入社前に宅建を取得していたため、入社後にお客様から、「新人だけど宅建を持っているから一定の信頼がおける」といったことを言って頂けることがありましたが、宅建が無いとそうした効果も期待できません。
新卒の営業マンであれば若いということで多めに見てくれるお客様もいると思いますが、未経験で転職する場合などは、事前に取得しておくことをおすすめします。
就活生くん
鹿児島 二郎
第1位 「普通自動車運転免許」
栄えある第1位は、「普通自動車運転免許」です。
就活生くん
鹿児島 二郎
売買仲介の仕事では、当然ながら駅に近い物件のみを取り扱うわけではありません。
バス便の物件など、アクセスの悪い物件も売買仲介の対象となります。
お客様をそうした物件の現地にご案内する際は、基本的には車で向かいます。まさか、案内の度にタクシーを使うわけにはいきません。
また、道路や法令制限といった「不動産調査」をおこなう際は、市役所、法務局、水道局、土木事務所など、多くの役所を回る必要がありますが、郊外にある物件はこうした施設が駅から離れていることも多いです。
要するに車の運転ができないと仕事にならないため、売買仲介会社の求人広告には、ほぼ必ずといっていいほど「普通自動車運転免許必須」と書かれているのです。
就活生くん
鹿児島 二郎
おまけ:お客様の信頼を掴む!物件案内時の運転技術
① カーナビを使わない
一流の営業マンを目指すのであれば、お客様を物件に案内する際は、カーナビを使ってはいけません。
物件というものは近所に住んでいる方が購入するケースが多く、下手するとお客様の方がエリアの道をよく知っています。
カーナビに頼って大通りばかり走っていると、
「この人、あんまりこの辺に詳しくないのかな。。」
と思われてマイナスです。
裏道を使って、物件までショートカットするくらいの気合を持ちましょう。
② 駐車は一発で入れる
戸建を案内するケースなどでは、ぱっと見、駐車がしにくそうな物件も多くあります。
そうした時に営業マンが駐車にもたついていると、往々にして奥様から、
「私には駐車できなさそう。。この物件はパスね。」
などと思われて、室内を見る前に勝負が決まります。
車庫入れは、涼しい顔で一発で決めてください。
③ 案内ルートの施設は頭に入れておく
案内する物件と物件の距離が離れている場合、移動中の車内というのは結構暇な時間が流れることがあります。
その際にお客様から、
「あの建物は何の施設ですか?」
などと質問されることが結構あるのです。
ここでかっこよく解説をすることができれば、地域に詳しい担当者であることをアピールすることができます。
カーナビ見ながら一生懸命に運転していてはこうした芸当はできませんので、会話のためにも普段から運転には慣れておきましょう。
まとめ
- どこかの不動産屋に就職するだけなら、「宅建」は必ずしも必要ない
- 大手に就職するためには、「大卒資格」を持っておくべき
- 「宅建」は就職には必須ではないが、持っていないと入社した後に損をする
- 売買仲介営業に必須の資格は「普通自動車運転免許」
いかがだったでしょうか?
今まで思っていたことと、1つでも違った発見がありましたら幸いです。
必要な資格を備えて、売買仲介会社の門を叩いてみてください。
鹿児島 二郎